同じころ、私にアプローチがあったのは週刊文春ですね、「文春砲」と言われる…。私も週刊文春が来た時には身構えましたね。ついに来たか、週刊文春と。2017年の4月ごろですけど、アプローチがありまして。
どういう話だったのかといえば「前川さんが新宿の出会い系バーに行ってる話がある」と。それはホントなんです。私は行ってましたから。「そういうことを聞いたんだけど、それを書くつもりはない」と言ってきたんです。「それよりも前川さんは加計学園のことを知っているでしょう。そっちを話してくれ」と言われて「そっちだったら話すよ」ということで応じたわけです。「加計学園獣医学部の新設の経緯について話してほしい」と言われたので、これは話す意味があるということでお話ししました。
これは私が記者会見した日に発売の号で載ったんですね。ですから、私の記者会見の時の映像を今から見てみると、週刊文春を持ってやってるんです。週刊文春の記事に載った中身について自ら解説しているという、そんな記者会見をやってましたね。これが2017年5月25日のことでした。
この時は東京の霞が関にある弁護士会館という所を借りてやったんですけれども、5月25日ってもう初夏ですよね。ところが空調が効いてなくて…。空調はあったんですよ。スイッチの場所がだれも分からなかったんです。だから、クーラーが入ってなくてメチャクチャ蒸し暑くて、いろんな報道陣が詰めかけてムンムンしてましたし、それで私は汗をかきながらお話ししてたんですけども。まあ、今となってはいい思い出というか…。
週刊文春は、新宿のバーのことは書かないと言ってたのですが、あとで書いたんですよね。書かないと言ってたのに、私がその店で話をしていた女性を見つけ出してきましてね。ずっと前の話なんですけども、仮称A子さんという人を探し出してきて、その証言を取って記事にしたんですね。
彼女は殊勝というか立派なことを言ってましたけどね。そんな立派な子だったかなという気もするんだけども「前川さんによって救われた」とも言ってるわけです。確かに「真面目に勉強するか、仕事するかしたほうがいいよ」という話をしたことは覚えてますけどね。実際に彼女が就職したというので、「よかったね」と言ってお祝いしてあげたこともあった。
そのA子さんという女性を見つけ出して、その証言を取って記事にしてくれた。これはまあ、ありがたかったですね。相当ひどいことを言われてました、特に菅さん(官房長官)あたりから。菅さんの私に対する発言は、誹謗だと言っていいと思います。これに敢然と立ち向かってくれたのは、望月衣塑子さんや南さんしかいなかった。
菅さんには馬鹿なこともずいぶん言われましたけども、もう1つ言ってたのは、私が文部科学省を辞めた経緯ですね。「地位に恋々(れんれん)としていた」と。菅さんは「地位にレンメンとしていた」とおっしゃいましたけど、あれはレンレンの間違いだと思います。私は地位に恋々とした覚えはありません。
不祥事があったら、とにかく責任ある地位にいる人間は責任を取って辞めるというのは、これはもう当然のことなので。
文部科学省で起きた違法天下りあっせん問題というのは組織全体の問題で、政治の問題ではなくて官僚の問題なので、これは大臣に責任を取らせるわけにはいかない。大臣の問題じゃないです、これは役人の世界で起きたことで。
私自身も具体的に関与したと言われたものが指摘されたわけなので、これはもう処分を受けて辞めるしかないと思ってました。私のほうから大臣に話を切り出して、そのうえで官邸にも行って了解をもらったという経緯だったんですから。「お前は辞めろ」と言われたのに「嫌だ、嫌だ」と言って粘ったなんてことはないです。これはもう事実に反するんです。
そういうふうに明らかに私の人格をおとしめようとした。まあ私も大した人格は持ってないのですが、ことさら、おとしめようとするようなことを菅さんがやった。これもちょっと気に入らなかったですね。名誉毀損で訴えてもいいかなと思いましたね。事実に反することを言われましたからね。
いま私は「安倍晋三は嘘つきだ」と言って回ってるんですけど、これは本当ですよ。ですから、いくら言っても名誉毀損にはならないと思いますよ。
山陽新聞労働組合
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