新聞業界をめざす皆さんへ

新聞労連の就職支援について

自分の一生のパートナーとなる仕事選びに失敗しないために

 「新聞業界の就職フォーラム」を実施しようと思ったきっかけは、同じマスコミ産業の組合である広告労協の同様の取り組みを知ったからでした。ですから、この就職フォーラムという企画は広告労協の就職フォーラムと似ています。 実際にこの取り組みには広告労協のスタッフの方の意見を直接聞いて準備させてもらいました。さらに私たちは無料の「模擬面接」、無料の「作文指導」も行っています。学生さんの声を反映させて、未来の新聞人、未来の仲間に対し無償で支援しています。

 新聞業界も他業種と同じく、採用を絞っており、同時に業界自体の従業員数が削られているため、訪問する先輩社員がいない学生がかなり多くいます。いくつかの新聞社では、入社試験を社外の会議室で実施する会社もあり、OB/OG訪問どころか社内に一歩も入ることなく受験することもあります。多くの学生が「リクナビ」と「就職本」と「ネット上の風評」の組み合わせだけで活動しているようです。

 新聞社を目指す人は新聞だけでなく、テレビ、出版、広告などマスコミ全般を受験する傾向にあります。中には金融業界など全く違う業種を受ける学生さんもいます。こういう場合、本人が新聞社で何をしたいのか、動機が曖昧な場合が多く、せっかく入社しても短期間で退社してしまう方もいます。その場合は相談する相手もないようですが、入社する前に業界の先輩やOB/OG訪問をきちんとしていれば、よけいな回り道をすることもなく、就職する前に仕事と職場の実態をきちんと把握して、中途退社するといったことは未然に防げたのではないかと思います。

就職活動と新聞(業界)の信頼

マスコミ業界志望者は他業種も多く応募しており、実際、新聞業界を目指した学生も多くが他業種に就職していきます。しかし、この「他業種」は多くの場合「新聞の読者になる可能性のある人たち」です。マスコミはじめ新聞社の就職活動で、OB/OG訪問や面接などで「雑に扱われた」「横柄だ」といった印象を志望者に与えていることがあったりしたら、それは結局将来の新聞産業と新聞読者に偏見を持たせる原因になっていくと思います。

本来ならば・・・

本来であれば新聞社の業界団体である日本新聞協会がやるべきと思われるでしょうが、やはり直接の採用当事者ではないことから、現実的には困難のようです。新聞労連は、加盟単組の活動を助けるための情報収集・提供が中心的な役割ですが、市民・読者の知る権利の擁護、民主主義発展のためにも、新聞業界に従事する人以外にも広く社会に貢献する(注※)ことをミッションとした、対外的な団体でもあります。そう言う意味では新聞業界を目指す学生の皆さんの要求を受け止め、就職支援をする団体としてはふさわしいのではないかと感じています。

就職フォーラムを通じて、労働組合を知って欲しい

 労働組合が学生に対して就職支援活動をすることで、新聞業界だけでなく、「労働組合」という世界にもシンパシーをもってもらえると思っています。
朝日、毎日、読売、日経、共同通信などの新聞労連加盟のほとんどの労組が、会社全体のことだけでなく、新聞の未来を考える「組合」であり、組合の役員はみんな現場の社員です。この新聞労連の活動が各労組の存在なしにはありえないことも感じていただければ、きっと皆さんにも仲間になってもらえると信じています。

※日本新聞労働組合連合の規約
第三条(目 的)
 本連合は、言論の自由を守り、新聞産業で働く労働者の団結と相互扶助の精神で、新聞労働者の経済的、社会的地位の向上をはかるとともに、新聞産業の民主的発展、日本の民主主義と文化の向上、世界の平和と地球環境の確保を期する。

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