イラク攻撃NO 平和解決を求める決議

 米英両国は7日、国連安保理に対し、イラクの武装解除の期限を17日とする修正決議案を提出した。米国は国連の承認なしでもイラク攻撃に踏み切る姿勢を明確にしており、決議の成否にかかわらず、月内にも戦争が始まる可能性が高まっている。

 私たちは1月29日の春闘臨時大会で、「ブッシュ政権のイラク攻撃に強く反対する決議」を採択した。テロの根源に目をふさぎ、何の罪もないイラクの一般市民を巻き添えにするこの戦争を認めない立場を改めて強調する。

 反戦の国際世論は日を追って高まりを見せている。日本でも8日、東京、大阪など全国32都道府県でデモや集会があり、5万人を超す市民が参加した。

 ブッシュ政権は国際世論を踏みにじって、あくまでイラク攻撃に突き進むのだろうか。最初から結論ありきで、国連での協議を戦争に向けたひとつの手続きとしか見ていないブッシュ政権の姿勢に、強い憤りを感じずにはいられない。このまま戦争が始まれば、国連の権威は失墜し、国際社会の失望は計り知れないものがあろう。

 戦争がもたらす惨禍は明白である。非戦闘員である多くの市民の犠牲、宗教・民族間の憎悪と対立の激化、報復テロ、そして環境破壊、世界経済への打撃。戦争が始まってからでは遅いのである。

 イラクの大量破壊兵器開発疑惑については、査察の徹底と国際社会の包囲網の強化によって、あくまで平和的に解決すべきだ。その可能性は十分ある。米国の政策決定当事者には、戦争で死ぬことになる米兵やイラクの兵士・市民の姿を思い描いて欲しい。今こそ立ち止まって、戦争によって失われるものの大きさを感じて欲しい。

 日本政府は早々と米英の修正決議案に支持を表明した。対米追随ぶりは国際的にも突出している。なぜ米国を支持するのか、国民に向けた説明も不十分なままだ。政府内では、戦争が始まった場合の具体的な対米協力策について、ひそかに検討が進められているようだ。国民の知らないところで、なし崩しに日本を戦争の「共犯者」にしようとしている小泉政権の姿勢にも強く抗議する。

 残された時間は限られているのかもしれない。しかし、私たちは、戦争の危機が切迫している今だからこそ、これまで以上に大きな声で、イラク戦争に反対の声をあげなければいけない。新聞労連の青年女性部は、ブッシュ大統領に反戦の手紙を送る運動を再開した。ひとりひとりができることから始めよう。この戦争に反対する世界中の人たちと連携し、「無知と傲慢の戦争」を阻止する決意をここに確認する。

2003年3月10日
新聞労連第1回中央闘争委員会