【 特別決議 】排外・排他主義の蔓延に警戒し、記者を攻撃から守る 総選挙報道、伝えるべきことを伝え続けよう

新聞労連は、1月21日・22日両日に開催された第147回春闘臨時大会において、特別決議を採択、承認されました。

内容は以下の通りです。

 年明け早々、高市早苗首相が解散を表明した。1月27日公示、2月8日投開票となる。かねて「最優先は物価高対策」と強調しながら、年度内の予算案成立を断念し、国民生活に大きな支障を生じさせての総選挙に、各紙では「自己都合」「大義なし」などと批判的な論調が目立つ。連立与党を組む日本維新の会も、代表の吉村洋文・大阪府知事と副代表の横山秀幸・大阪市長が辞職し、衆院選の投開票日と同日のダブル選を仕掛けてきた。
 自民党は政治とカネ問題が依然くすぶる上、韓国メディアは昨年末、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との親密な関係を表す内部文書の存在を報じた。日本維新の会には大規模な国民健康保険料の支払い逃れ問題が浮上している。高市政権は防衛費の大幅増額、武器輸出の推進や、新聞労連や日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)が危険視する「スパイ防止法」制定など、平和を危うくする政策を進めている。選択的夫婦別姓を否定し「旧姓の通称使用の法制化」を打ち出すなどジェンダー平等の実現から逆行するような政策もある。
 総選挙を巡る報道では、有権者の判断材料となる正確で質の高い情報を提供するために、こうした数々の問題を指摘し続けなければならない。2024年秋の兵庫県知事選、昨夏の参院選などで各社が取り組み始めた「ファクトチェック」の取り組みも精度を高めていくことも大切だ。
 もちろん、記者たちが勇気を持って報道を続けるためには、安全な取材環境が前提となる。しかし、兵庫県知事選以降、選挙や政治の取材を巡ってインターネット上や取材現場で記者への攻撃が後を絶たず、新聞労連や MIC はここ数年、何度となく抗議声明を出してきた。昨夏の参院選では「外国人問題」が争点化。「日本人ファースト」を掲げた参政党が躍進する中、選挙戦では排外主義的、排他主義的な言説が蔓延。参政党が参院選後の記者会見で神奈川新聞記者を排除するという問題も発生した。
 有権者の判断材料としてネット情報の比重が高まっていく中で、ネットにはびこるデマや誤情報が有権者を混乱させ、市民の間の対立や分断を深刻化させている。記者への攻撃は、こうした分断が背景にあるだろう。2月の総選挙は高市政権が異例の高支持率を維持する中で、短期間かつ激しい選挙戦が予想され、記者への攻撃が起こることが危惧される。
 選挙は民主主義の基盤であり、より良い社会をつくるための政策論争を経て私たちの代表者を選ぶための極めて重要なプロセスだ。新聞労連として、排外主義や排他主義に抗していくことと、市民の知る権利のため「記者の安全を守る」ことを改めて明確にする。会社に対しても、攻撃に対して法的措置を含めた断固たる措置を取ると宣言することや、被害者側に立ったケアの体制を構築することを求めていく。
 総選挙取材において、記者らが攻撃に遭うような事態が発生した時は、加盟単組や新聞労連に速やかに連絡してほしい。攻撃はジャーナリズム全体の問題であり、仮に被害者が組合員でなかったとしても新聞労連は支援を惜しまない。総選挙取材に関する対応のため、新聞労連の書記局(電話:03-5842-2201、メール:info@shimbunroren.or.jp)に対応窓口を設ける。顧問弁護士とも連携を取りながら、被害を受けた記者らに寄り添っていく。勇気を持って伝えるべきことを伝え続けられるジャーナリズムを守り育てるために、新聞労連は力を尽くしていく。
2026 年1月22日
新聞労連・第147回春闘臨時大会