「しんぶん販売考」第6話

「しんぶん販売考」第6話

地域販売センターで共同配達を

 いま新聞業界で話題になっている本がある。3月に発刊された「新聞社-破綻したビジネスモデル」(新潮新書)。「真の敵は、テレビでもインターネットでもなく、破綻したビジネスモデルにとりすがる新聞界の守旧派」と刺激的なメッセージが飛び込んでくる。これまでの新聞批評本といえばジャーナリズム論がほとんどだったが、同書は「部数至上主義」のゆがみなど新聞産業の問題点を鋭く指摘している。著者の河内孝さん(62)に聞いた。

――新聞の販売のどこを改革すべきだと思いますか

 新聞社の専売店政策は、人口や世帯数が増えて社会が右肩上がりの時代には非常に良いシステムだったと思う。専売だから(販売店が)無理もやってもらえるとか、人手も集まっていた。しかし、結局は読売の務台さんの作ったビジネスモデルから皆抜け出せないということ。果たして専売制というのは今後10年、20年先に維持していけるのだろうか。日本の人口動態を考えてみるといずれにせよ統廃合をせざるを得ない。地域販売センター化をして都内でいえば、大手以外の新聞社で完全合配とはいかないにしても共同配達に取り組む必要がある。
 例えば販売店従業員の福利厚生を考えても地域販売センター化すれば少なくとも労働力問題=意味不明?労働力が減るという意味か、必要労働力のことか=は5分の1になる。しかもシフト勤務も出来るわけだから、休刊日も無くせるということだ。

――再販制度や特殊指定については

 僕は再販も特殊指定も維持されて欲しいし、国家が口出しをするべきではないと考えているが、現状では販売の現場で様々な問題が出ている。カラクリ発証の問題は出る、販売店の不祥事の問題は出る、こちらが権利を主張すべき根拠が無くなってきている。だからそういう意味でもそろそろ販売体制は考え直しても良いのではないか。

――地域販売センター化実現には各社が取り組まないと難しい

 都内で考えれば朝日と読売は難しいだろうから、それ以外でひとつにまとまってやっていくしかないと思う。それは大変なことなのだが、キオスクのようなところは全紙取り扱っているわけで、方法はいくらでもあるような気がする。

――4月から大手2紙が都内販売店へ金券類使用廃止を通達したが、正常化は実現しますか

 不動読者がいる限り拡張行為はやらざるを得ない。現在の専売店システムでは避けられないことだ。新聞各社が平和協定を結べないのは、大手紙が悪いのではなく、それぞれの販売政策が違うから。哲学が違うからどこまでいっても平行線をたどる。つまり一時的には原資(大型拡材)が掛かるが、いずれ長期読者に転換させて元が取れるという政策もあれば、拡材に回す原資がないので禁止されている無代紙を使ってしまうという問題が起こるわけだ。
各社の販売哲学が変わらないとするならば、新聞社間の協定というのは「核の抑止力」と同じで、口では何を言っても無理だ。やはり取り決めというのは朝日と読売ともうひとつの「核」がないといけない。それはやはり連合体でしか対抗できないと思っている。

(つづく)

【労連副委員長・小関勝也】※新聞労連機関紙2007年6月号より

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