第116回定期大会報告

大会宣言~怯むことなく前に進もう~

 「連帯の力で踏み出そう 61年目のたしかな一歩を」をメーンスローガンに、新聞労連は7月22、23日、都内で第116回定期大会を開いた。なりふり構わぬ人件費抑制政策が猛威を振るう激動の時代にあって、新聞労働者が生き抜き、働く者の命と暮らしを守り、健全なジャーナリズムを掲げる闘いを再構築することをあらためて確認し、次期執行部に取り組みを引き継ぐことを決めた。

 大会冒頭、豊秀一委員長は「労働組合として市民社会の中に入っていき、日本に真っ当なジャーナリズムを残すため、新聞が公共財であり民主主義に不可欠なものであることを訴えていくことが大切だ。全国の仲間と、団結と連帯の意思を確認し、時代を切り開き、一緒に新聞の未来を築いていこう」と呼びかけた。

 労連加盟の組合員数は2010年7月現在で2万4249人となり、2万5000人を割り込んだ。組合員からの会費収入も大きく落ち込んでいる。労連中央執行委員長の諮問機関である組織・財政問題検討委員会は、財政面については①争議基金の繰入額減額②地連補助費交付を申請制に見直すことの2点を答申した。

 際限のない労働条件切り下げに対峙する際、役員全員の経営責任を明確にさせることが大前提であり、労組にはこれまで以上の経営分析能力が求められる。成果主義や業績主義への監視を強める必要もある。

 労連の非正規対策プロジェクトが行ったアンケートでは、非正規労働者と正社員との賃金格差が際だち、非正規には女性が多いというジェンダー格差や、昇進・退職金・一時金は対象外となっている実態も明らかになった。労働組合への加入に前向きな回答が非正規労働者の4割に上る一方で、組合側からの呼び掛けがないことや、正社員にしか門戸を開いていないことなどが未加入の大きな理由になっており、全単組に突きつけられた課題である。

 労連の産業政策研究会は発足から3年を経過した。年次ごとに報告書を発表してきたが、来期はシンクタンクとして機能できる研究機関として再編成する。現状分析や問題提起を重ね、あすの労働運動を担う人材育成・活用を各地連や各単組とともに行う。

 職場では、うつなどメンタルヘルスによる休職や退職が深刻な問題となっている。業務の濃密化、複雑化に伴う過重労働により、過労死や健康被害も相次いでいる。命と健康を守るとともに、セクシュアル・ハラスメントやパワー・ハラスメントをなくすなど、人権を守る日々の活動が求められる。

 市民の知る権利に応え、言論・表現の自由を守る不断の闘いは続く。報道の多様性確保の一環として記者会見開放や記者クラブ改革を進め、権力をチェックする一方で、メディア規制には断固反対する。また、自分たちの紙面を検証する新聞研究や若手記者教育の充実にも積極的に取り組む必要がある。

 大会の討議で、経営再建闘争を懸命に続けたものの、会社の破産で無念の組合解散を決めた内外タイムス労組は「労連の仲間の支援のおかげで経営危機後も3年余り新聞を出せた」と感謝の言葉を述べた。

 読売労組からは労連のシンクタンク機能強化と労戦問題の積極的論議、さらには全国紙・大規模労組にメリットのある労連のあり方を求める問題提起があった。

 沖縄タイムス労組からは、組合つぶしと闘う宮古毎日労組への一層の支援の呼び掛けに加え「労働組合の原点は困っている仲間を助けることだ。組合によって労連の対応を左右したり査定のようなことをすべきではない」と、争議支援に関して意見が上がった。

 契約社員2人の雇い止め撤回闘争を続ける京都労組も「内外タイムス労組が返済できなかった2900万円の痛みに比べ、1人ひとりが仕事を奪われた痛みを私たちはどう考えるのか」と訴えた。

 トムソンロイターやブルームバーグで起きている首切りや、時事労組、報知労組が取り組む組合員の過労死問題も引き続き労連が全力で支える必要がある。北日本労組、琉球新報労組、宮崎日日労組からは、新人事賃金制度、再雇用も含めた労働条件改善、職場のハラスメントなどについての闘いの報告があった。

 新聞労連は60年前の1950年夏に船出した。新聞産業が高度経済成長期を経て、メディアの王者としての地位を築くとともに、新聞労働者も経営陣と対峙し労働条件の改善を勝ち取ってきた。いま、新メディア台頭と技術革新の波は、産業としての新聞を飲み込もうとしているようにみえる。しかし、私たちはひるんではいられない。61年目の一歩として1人ひとりが、未来を探しあぐねている若い仲間や、権利を守るための争議を勝ち抜こうと最前線で頑張っている仲間、また、同じ大地で足を踏みしめている多くの非正規労働者の仲間などと一緒に、思いを重ね、英知を集め、共闘し、前に進むことを、ここに宣言する。

2010年7月23日 新聞労連 第116回定期大会

東海林委員長(毎日)を選出

新聞労連結成61年目の確かな一歩を、新聞の未来築こう

 「連帯の力で踏み出そう 61年目のたしかな一歩を」をメーンスローガンに、新聞労連第116回定期大会が7月22、23の2日間、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで開催された。役員人事では、豊秀一委員長(朝日)の後任に東海林智氏(毎日)、小平哲章在京副委員長(東京)の後任に田中伸武氏(中国)をそれぞれ選出して新執行部が発足。労連結成60周年から新たなスタートを切るにあたり、働く者の命と暮らしを守り、健全なジャーナリズムを掲げる闘いを再構築することを確認した。藤本勝也書記長(時事)は再任、和田達生在阪副委員長(奈良)は退任した。

 大会議長には鷲見正則(朝日)、柳沢良和(全徳島)両代議員を選出。冒頭、豊委員長は「経営危機から新聞の質が低下し、権力を監視できず、市民の信頼を失う負の連鎖に陥ってはならない。新聞が公共財であり民主主義に不可欠なものであることを訴えていくことが大切だ。産業政策で新しいメディア環境にも対応しながら、ジャーナリズムを確立し、団結と連帯の力で、一緒に新聞の未来を築いていこう」と呼びかけた。

 豊委員長は非正規対策プロジェクトについても報告。各社の非正規社員を対象にしてアンケート結果から、正社員との賃金格差や女性が多いというジェンダー格差があることが明らかになる一方、非正規社員が組合加入を望んでいながら組織化できていない課題も指摘した。

 委員長の諮問機関である組織・財政問題検討委員会(谷口誠委員長、共同)は、組織人員の減少に伴う労連運営のあり方などの検討を重ねた結果、財政面については①争議基金の繰入額減額②地連補助費交付を申請制に見直す――などとする答申内容を報告。役員選出ローテ確立委員会(島倉朝雄委員長、北海道)からは、今後の委員長・書記長ローテションを担う5単組目の選出には至らなかったものの、専従協定のある中規模単組からの選出を目指す確認事項が報告された。

 発足から3年となる産業政策研究会(座長・一倉基益産業政策部長、上毛)からは、組合員が手に取りやすい年次報告書を制作するなど研究結果を地連、単組へと浸透させながら、来期以降はシンクタンクとして機能できる研究機関として再編成する方向性などが示された。

 大会の討議では、経営再建闘争を懸命に続けたものの、会社の破産により組合解散を決めた内外タイムス労組の脱会を承認。同労組は印刷費の緊急貸付やカンパなど労連からの支援に感謝の言葉を述べた。読売労組からは、労連のシンクタンク機能強化と労戦問題の積極的論議、さらには全国紙・大規模労組にメリットのある労連のあり方を求める問題が提起された。争議関連では、沖縄タイムスから、組合つぶしと闘う宮古毎日労組への支援の訴えがあり、契約社員の雇い止め撤回闘争を続ける京都労組、外資系通信社での解雇事件や、時事労組、報知労組が取り組む組合員の過労死問題などに関して発言があった。北日本労組、琉球新報労組、宮崎日日労組からは、新人事賃金制度、再雇用も含めた労働条件改善、職場のハラスメントなどについての闘いの報告があった。

 藤本書記長の討論のまとめの後、2009年度の実績批判・財政報告案、10年度運動方針・財政方針案を全会一致で承認。新旧役員のあいさつに続いて、東海林新委員長による力強いガンバロー三唱で閉会した。

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