第122回定期大会報告

大会宣言  連帯を広げよう!~組織、職場、企業から社会、地域、市民へ

 未曾有の被害をもたらした東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から2年4カ月あまりが経ちました。被災地の復興は今なお道半ばで、多くの被災者が不自由な暮らしを強いられており、原発再稼働をはじめとする国のエネルギー政策の行方についても不透明なままです。こうした中、7月21日に行われた参院選では、自民党が圧勝し、3年ぶりに国会のねじれ状態が解消されました。政策遂行の迅速化に期待が高まっていますが、新聞労連としては、安倍政権が進める憲法改正の動きや原発再稼働のほか、経済再生の名の下に「労働環境の改悪」が進められないか、いっそう注視していく必要があります。

 このように、政治を取り巻く状況が変化する中、新聞労連は7月24、25の両日、神奈川県川崎市内で第122回定期大会を開催しました。メーンスローガンには「連帯を広げよう~組織、職場、企業から社会、地域、市民へ!」を掲げ、山積する課題について討議しました。

 大会冒頭、日比野敏陽委員長は新聞労連が直面する問題として、「改憲と秘密保全法制など言論に関わる問題」と「労働法制のさらなる改悪」の二つを取り上げました。

 この中で、秘密保全法制については「戦後のジャーナリズム、新聞の労働運動を根底からないがしろにするものだ」と指摘し、憲法問題とも合わせ、「表現の自由の問題で新聞労連に中立はあり得ない」と訴え、職場や産別を越えて反対運動の連帯を強めるよう求めました。

 労働法制の改悪に関しては、派遣法の再改正を念頭に「派遣の記者がいっぱい出てくることもあり得る。放っておいたら自分の問題になる。自分たちの子どもの世代のことも考えていこう」と呼びかけました。

 一方、労連が支援を続けてきた争議においては、四つの闘争で一定程度の前進がありました。しかし依然として、われわれ新聞労働者全体からのいっそうの支援が求められています。

 「ブルームバーグ解雇撤回闘争」では、東京高裁でも勝訴し解雇無効が確定しましたが、会社は復職を拒否し、雇用関係不存在の2次訴訟を起こす構えさえみせています。「宮古毎日新聞労組闘争」では、中労委和解後も会社側が組合敵視を続け、不誠実団交を重ねています。「日刊建設新聞解雇撤回闘争」では、金銭解決で和解が成立しましたが、今後は組合員3人の再就職支援とともに、金銭の分割払い履行を注視していく必要があります。「UPC(日本外国特派員協会労組)雇い止め撤回闘争」においては、仮処分を申し立てた組合員10人中3人の一部解雇無効を東京地裁で勝ち取りましたが、残念ながらパート社員7人は雇い止めが有効とされました。

 このほか、「報知新聞労組・塚野さん過労死裁判」や「産経奨学生パワハラ問題」「消費経済新聞解雇撤回闘争」といった争議に加えて、「愛媛新聞印刷部門別会社化問題」など、多くの組合で闘いは継続しており、労連として、いっそう連帯していかなければなりません。

 新聞労連全体の組合員数は3年で2000人余り減少し、それに伴い組織の財政状況も悪化しています。加えて、争議の多発と、労連と新聞労働者を取り巻く環境も厳しさを増しています。来春にも予定される消費税増税では、販売への影響が指摘されており、各社は経営圧迫を理由に、労働条件切り下げを提起してくることも予想されます。こうした中、今回の定期大会では読売新聞労組から、労連の財政について、より危機感を持つべきだとの厳しい指摘がありました。また、朝日新聞労組は2013年度運動方針案について、メリット論や費用対効果論に触れた部分に関連し、「多くの組合員は労連の活動に大義があるのかということに視点を置いている。方針案は到底、理解を得られない」として、反対を表明しました。さらに財政方針案に関しても反対の立場から、「表現の自由と知る権利を守る運動や、労働争議も緊急性を要するものとして、活動見直しの聖域だと位置付けるような書き方をしている」としました。

 これに対し、日比野委員長は、財政問題について「貴重な指摘をいただいた。見直しには全く異論はない」とし、朝日労組の運動方針案に対する反対表明については「労働組合の活動には大義があり、メリット論、費用対効果論を何とか乗り越えていく努力が必要だ、ということをあえて述べた」と説明しました。これを受け、朝日労組は労連の活動・財政方針が組合員の視点に基づくものか、過去の活動を前提にせず見直しを進める考えか、執行部の見解をあらためて求めました。

 日比野委員長は運動方針案について「メリット論があることは承知している。メリット論、費用対効果論を乗り越えるためにも労連も自らの活動に大義があるのか、常に顧みて、組合員の声に耳を傾けていきたい」と説明しました。財政方針案については「特定の分野を聖域化することなく進めていくことが必要だ。朝日労組の提言を十分に踏まえたい」と理解を求めました。

 それに対し、朝日労組は「活動・財政方針案に賛成はできないが、来期の活動にはこれまで通り協力していく」と表明しました。その後、運動・財政方針は採択されました。

 こうした議論に関連し、今定期大会では「組織・財政問題諮問委員会」の設置を決定しました。各単組の知恵を集め、労連の使命を果たすための組織・財政と活動の在り方を探ります。個々の組合員、個々の単組においても、厳しい現状を打開していく、同様の取り組みが求められています。労連の名の下に結集・団結し、共に歩んでいきましょう。

2013年7月25日  新聞労連第122回定期大会

日比野委員長(京都)を再選

改憲、秘密保全法、国家安全保障基本法に反対し連帯を広げよう

 新聞労連は7月24、25日の両日、神奈川県川崎市内で第122回定期大会を開き、2012年度活動報告、財政報告、実績批判を承認したほか、2013年度運動方針および予算案などを採択した。中央委員会の開催を「年2回以上」から「年1回以上」とする規約改正も代議員投票の結果、賛成多数で可決され、それを前提に今大会で提案された13秋季・年末闘争方針も承認された。労連財政の見直しを検討する「組織・財政問題諮問委員会」の設置も決定された。

 本部役員人事では、書記長に大江史浩氏(西日本)が就任。日比野敏陽・中央執行委員長(京都)、米倉外昭・中央副執行委員長(琉球)が再任された。松永康之輔・書記長は任期満了で退任した。

 大会は、菅野薫(読売)、上原康作(沖タイ)両代議員が議長に選出され、議事が進められた。

 開会あいさつで日比野委員長は、直面する重要課題を、自民党改憲草案や秘密保全法などジャーナリズム・言論に関わる問題と、労働法制の改悪の2つだと指摘し、「新聞も新聞労働運動も中立であるべきとの意見もあるが、知る権利、表現の自由の問題で中立はあり得ない。全力で反対していかなければならない」と述べ、運動の強化を訴えた。

 来賓出席した日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)の金丸研治事務局長も「私たちの手から基本的人権、表現の自由を奪い、権力を野放しにする。これを許してはいけない。手を携え、闘いを大きくする。その核になるのは産別組織だし、MICもその役割を担っていきたい。ともに頑張りましょう」と、改憲、秘密保全法、国家安全保障基本法に反対する運動での連帯を訴えた。

 その後、東京地裁労働審判員で元新聞労連書記長の葛西建治氏が労働審判制度の現状を報告、自身の任期満了を控え、新聞労連からの労働審判員の選出を求めた。

 続いて、東日本大震災被災地における継続的な支援活動に取り組んできた岩手日報労組に対する表彰も行われた。

 議事では、12年度の活動報告、財政報告・会計監査報告、実績批判、13年度の運動方針案、予算案に加え、組織・財政問題諮問委員会の設置と規約改正の提案、13秋季・年末闘争方針が提案された。

 一括質疑・討論では、朝日労組が13運動方針案と財政方針に対して明確な反対を表明。これに対し中国、沖縄タイムス、宮崎日日の各労組が方針案に賛成の立場で発言、本部答弁も含め、集中討議となった。

 このほか、大会初日は 東京千代田法律事務所の梓澤和幸弁護士による講演も行われた。「表現の自由をなぜ目の敵にするのか~自民党改憲草案の秘密」と題し、表現の自由より「公の秩序維持」を上位に置く同草案を厳しく批判した。

 2日目は、日本ジャーナリスト会議(JCJ)の林豊事務局長の来賓あいさつの後、質疑・討論が継続され、朝日労組は、本部の答弁を受けて「賛成はできないが、活動には協力する」と表明。13年度運動方針、予算案は採択された。運動方針採択後は規約改正の代議員投票が行われ、賛成多数で可決された。大会スローガンも提案通り採択された。役員改選では13本部新体制の発足と12年度役員の退任が承認された。最後は大会宣言の提案、採択後、大江新書記長の団結ガンバローで大会を締めくくった。

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