参院特別委での秘密保護法案の強行可決に強く抗議する

参院特別委での秘密保護法案の強行可決に強く抗議する

2013年12月5日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長 日比野敏陽

  特定秘密保護法案(秘密保護法案)は5日、国会の国家安全保障特別委員会で自民党と公明党によって強行可決された。国民の知る権利を大きく制限する危険性があるとして国内外から厳しく批判されている法案を、十分な審議もなく与党だけで強引に委員会可決したことは極めて許しがたい。まして「良識の府」である参院で強行可決が行われたことは、歴史に残る暴挙だ。本会議での採決は絶対に許されない。

 新聞労連は法案の行方が最終的にどうなろうと、安倍政権と与党の卑劣、下劣な行いに対し強く抗議するとともに、今後、秘密保護法に対して施行反対や廃止を含め、あらゆる反対運動に先頭に立って取り組むことを宣言する。

 秘密保護法案には数々の問題があることはすでに明らかになっている。報道への「配慮」条項が入っているが、配慮するかどうかは捜査当局の胸先三寸である。秘密指定も密室においてきわめてあいまいな基準で行われることは明らかだ。新聞記者が秘密に接触しようとしただけで処罰対象となる構造があるかぎり、配慮規定など機能しない。新聞労連が加盟する国際ジャーナリスト連盟も「ジャーナリストを好きなように起訴できる可能性を政府に許すいかなる法律も、非難されなければならない」と批判している。安倍首相は4日になって秘密をチェックする機関の設置を持ち出したが、身内の官僚で固める組織に過ぎず、お為ごかしもはなはだしい。

 法案に対しては、国際ペンや国連機関の代表者までが法案には問題が多いと指摘している。このような法律を制定することになり、日本は世界各国から「言論の自由と知る権利を制限する国」として、厳しい視線を浴びせられるだろう。もちろん、日本の新聞労働者は秘密保護法にひるんだりはしない。国民・読者に本来知らせなければならない情報は何が何でも知らせる、という気概は法案の成立で失われることはない。仮に秘密保護法による弾圧があれば、新聞労連は一致団結して闘うだけである。

以上