情報隠しに抗議し秘密保護法廃止を求める

2016年4月1日
日本新聞労働組合連合
執行委員長 新崎盛吾

  特定秘密保護法に基づき政府の秘密指定状況を審査する衆参両院の情報監視審査会が初の報告書を両院議長に提出した。秘密指定が適正かどうかにつき、担当者が詳細な説明を拒むなど、政府から審査会に十分な情報提供がなされなかったことが判明、審査会は結局、指定適否の判断を見送らざるを得なかった。新聞労連は、このような情報隠しにより、国民の知る権利をないがしろにする政府の対応に強く抗議するとともに、秘密保護法の廃止をあらためて求める。

 秘密保護法は衆参両議院で強行採決が行われた結果、13年12月に成立した。国の情報は主権者である国民に知らされるべきであり、一部の政治家や官僚が独占してはならない。にもかかわらずこの法律は政府が恣意的に情報を秘密指定でき、永久に非公開にすることも可能にしている。新聞労連は新聞業界唯一の産業別労働組合として、法案段階から一貫して反対を表明してきた。

 衆参審査会では、2014年12月10日から同31日に、防衛省など10の行政機関が指定した特定秘密382件の指定状況を審査した。報告書によると、指定管理簿の項目に文書の総数や、文書のタイトル等の一覧さえも示されていないものがあったというが、審査会の開示要請に対して、政府側は「今後の情報収集活動に支障を及ぼすというおそれがあり、公表を前提とした国会報告に記載することは不適当と考えている」などと回答している。守秘義務を負い懲罰の対象となる審査会の委員に対してもこのような対応であれば、国民の知る権利を軽視していると言わざるを得ない。

 安倍晋三政権は今年夏の参院選に向け、安全保障関連法などの既成事実を積み上げた上で、憲法改正の目標を明確に掲げた。日本の平和憲法が最大の危機を迎える中、自民党による報道への介入傾向が強まり、表現や言論の自由を阻害する空気が広がりつつある。政権に都合の悪い報道に圧力を加え、番組への政治介入を狙う意図をあらわにしているともいえる。

 先の戦争で国は国民に戦況さえも知らせず、戦争への道をまい進した。秘密保護法や安保法によって、そのような悲劇が繰り返されることがあっては絶対にならない。今回の情報監視審査会の報告で、この法律の危険性があらためて明らかになった。新聞労連は国民の知る権利に奉仕する立場から、秘密保護法の一日も早い廃止を求め続ける。

以上

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