第136回定期大会宣言: 今、変える。市民の「知る権利」と新聞業界の未来のために

 新聞労連の旗のもとに集う私たちは4月22日、「今、変える。新聞業界の未来のために」をメインスローガンに、136回目となる定期大会を開きました。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた今大会は、東京・本郷の新聞労連書記局と全国の単組をネットでつなぐ異例の形で開催。終息時期が見通せないなか、働く仲間の「安全性」を十分に担保しながら、市民の「知る権利」に資する持続可能な新聞発行・報道の態勢づくりを目指すための特別決議「新型コロナウイルス禍を乗り切り、新聞労働者と産業の未来につなげるために」を採択しました。新型コロナウイルスへの対応を誤ると、労働者の健康と新聞産業の未来に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。危機を直視し、まずは衛生管理を万全にし、免疫力の低下を防ぐために「長時間労働」に依存した従来の働き方を徹底的に改めなければなりません。また、公権力の報道統制に対峙して情報の信頼性を保つことや、プラットフォーム事業者などが集めた「ビッグデータ」の公権力への提供で公益通報者の保護や取材源の秘匿が損なわれないよう厳重に監視したりすることも必要です。

 新聞労連は近年、新聞業界が「ビジネスの危機」「信頼の危機」を認識しながら、変えることができないという「組織の危機」の深刻さを訴えてきました。内向きに愚痴ばかりこぼす経営者に見切りをつける仲間や読者が少なくないからです。危機を直視し、時代にあった市民や社会との関係性を紡ぎ、「信頼」と「ビジネス」、そして希望の持てる「働き方」を再構築する必要があります。そのキーワードの一つが「多様性」です。

 日本新聞協会の調査では、新聞・通信社の新入社員がほぼ男女半数となりましたが、新聞労連が昨年実施した組合員アンケートでは、女性の6割が「賃金・待遇や働く上で、性別による差別がある」と回答しました。女性管理職も少なく、ジェンダーバランスの欠如が報道の歪みにもつながっているという指摘は男性組合員からも出ています。こうした状況を改善するため、新聞労連は2019年度から「特別中央執行委員(いわゆる女性役員枠)」を創設。3割超となった女性役員が未来を切り拓く推進力になっています。この動きを逆戻りさせてはなりません。ジェンダーバランスの改善を業界全体に広げ、誰もが働きやすい職場の実現と、幅広い読者の信頼をつかむことができる新聞・通信社の体質への転換を目指していきましょう。

 いま、新聞業界は時代の転換期にあります。新しいビジネスモデルの構築に苦しんでいる経営側から、労働者の権利と尊厳を踏みにじる不利益な提案が相次ぎ、各単組の運営も厳しさを増しています。新型コロナウイルス禍を受けて、この動きが加速する恐れがあるいまこそ、全国2万人のネットワークを持つ新聞労連が連帯の礎とならなければなりません。3人の組合員を支えるため全国の仲間が結集し、不当な組合差別人事をはね返した山陽新聞労組の闘いがその象徴です。山陽労組の田淵信吾委員長は大会で「労働委員会命令を超える内容の120%の完全勝利を勝ち取ることができた。皆さんのご支援のお陰で、副委員長は印刷で定年を迎えたいという希望をかなえることができた」と報告しました。また、中日新聞社の理不尽な「偽装請負」を解消させ、安定的な雇用関係を勝ち取った東京新聞労組の報告もありました。不誠実団交を繰り返す経営者と闘うジャパンタイムズ労組や、長崎市幹部から取材中に性暴力を受けた女性記者、ヘイトスピーチを指摘する記事をめぐり「スラップ訴訟」を起こされた神奈川新聞の石橋学記者、正規職員との差別待遇に対して訴訟を提起した共同通信の元契約社員をみんなで支えていくことを確認しました。

 新聞労連は6月30日に結成70年を迎えます。現場からのボトムアップで危機を乗り越え、新聞産業を支える関連会社、有期契約労働者の仲間、労働組合活動に誇りを持って支える書記とともに、ネクストジェネレーション(次世代)が魅力を感じられるような持続可能な環境をつくっていきましょう。

2020年4月22日 新聞労連第136回定期大会