ドローン取材の継続を求める

ドローン取材の継続を求める

2019年6月13日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長 南  彰

 小型無人機ドローンの飛行禁止区域に米軍や自衛隊の基地を追加した改正ドローン規制法が13日に施行されました。

 ドローンによる空撮は、全国各地にある自衛隊や米軍の基地に対するメディアの取材や市民団体の監視活動に欠かせない手段です。特に米軍基地が集中し、名護市辺野古での新基地建設が進む沖縄において、土砂投入に伴う濁った水の流出の実態などを明らかにしてきました。県民投票で示された民意に反する工事が強行されているなか行われた今回の法改正は、「テロ対策」の大義名分のもと、国民・市民の監視の目をふさぐことにつながるもので、報道の自由や国民・市民の「知る権利」にとって、深刻な脅威です。

 今後の法運用は、監視されていた側の米軍と日本政府に委ねられます。

 衆参両院の内閣委員会の付帯決議では、「必要な限度を超える規制が行われた場合には、取材・報道の自由をはじめとする国民の利益が損なわれる」と指摘し、「正当な取材目的」の飛行については、「国民の知る権利及び取材・報道の自由が確保されるよう、施設管理者は合理的な理由に基づき同意・不同意の判断を行う」ことを日本政府に求めています。防衛省においては、真に必要最小限の規制区域の指定にとどめるとともに、在日米軍施設・区域に関しては、正当な取材目的の飛行に関して米軍側が日本の立法府の付帯決議に同意する旨を明確に示さない限り、指定しない対応が必要です。

 在日米軍側はこれまでも事件・事故現場の撮影を認めたがらない傾向が強く、基地の司令官に同意させ、適法にドローンで取材・監視活動を行うことは非常に困難な作業になります。米軍側は改正法成立後の報道機関の取材に対し、「施設や周辺住民に危険が及ぶ恐れがある」として、原則許可しない考えを示しています。今こそ、沖縄の地元メディアや市民団体を孤立させてはいけません。「国民の知る権利を侵害する」として法改正に反対した日本新聞協会には、ドローン取材継続を求める地元メディアなどの取り組みを粘り強く後押しすることを求めます。

 先の戦争では「国策」や「軍事機密」が優先された末、情報統制により“事実”を報道することができず、多くの人のかけがえのない命と暮らしが奪われていきました。私たちは、市民とメディアの連帯の輪を広げながら、過ちを二度と繰り返さないことに全力を尽くします。

以上