自衛隊のなし崩し的多国籍軍参加と憲法改悪に反対する決議

 大量破壊兵器の保有、開発が開戦の根拠とされたイラク戦争。その根拠が、7月に公表された米英両国の報告書で「誤りの情報」であることが公表され、戦闘終結から1年以上を経て、イラク戦争の不当性は疑いようのない事実として明らかになった。
しかし、ブッシュ米政権、ブレア英政権ともにこの事実を認めようとせず、日本の小泉政権も相変わらず米政権に追従する姿勢を取り続けている。

 こうした状況の中、6月28日に米英によるイラク暫定占領当局(CPA)からイラク暫定政府に主権が委譲されたことで、日本の自衛隊はそのままイラクにとどまり、多国籍軍に参加することとなった。

 自衛隊のイラク「派兵」自体が憲法違反であり、しかも現在のイラクには「非戦闘地域」はないことから、イラク「派兵」はイラク特措法にも違反している。それに加えて今回の多国籍軍参加はさらに重大な2つの問題を抱える。

 1つは、政府がさらに「解釈改憲」を推し進めたことである。多国籍軍参加についての政府の統一見解は、自衛隊は「多国籍軍の中で活動するが、わが国の指揮に従い、統合された司令部の指揮下に入ることはない」としている。湾岸戦争当時、政府は、多国籍軍への「参加」とは国連軍の司令官の指揮下に入り、その一員として行動することを意味し、憲法が禁じる武力行使と一体化する恐れがあるため参加できない、としていた。今回、指揮権についてあいまいにしてごまかし、「限定的な任務なら憲法違反にならない」とこじつけ、自ら憲法違反としてきたことを平然と無視する政府の姿勢は断じて許せるものではない。

 もう1つは、手続きの問題である。多国籍軍参加が重大な政治問題となっていたにもかかわらず、小泉首相は6月9日の米ブッシュ大統領との首脳会談で参加を表明。国民への説明も国会での論議もまったくないままの、米への忠誠を示すための独断的なやり方に、与党内からも厳しい批判の声が上がった。少なくとも、自衛隊をいったん撤退させた上で新しい法案を提出しなければならない問題であった。

 小泉政権は、国内の法秩序を無視して米国への際限のない従属を進めており、憲法が認めていない集団的自衛権行使に限りなく傾斜している。

 国会は現在、衆参とも改憲を掲げる自民党と民主党が圧倒的多数を占めている。改憲問題の焦点は、自衛隊の海外派兵と集団的自衛権をめぐる9条にある。

 7月21日、アーミテージ米国務副長官は、戦争放棄をうたっている日本の憲法9条について「日米同盟関係の妨げ」と露骨に圧力をかけ、日本に改憲を促した。「内政干渉だ」という反発が与党内にも出ているが、日米軍事同盟の強化を最優先する小泉政権は、この圧力を利用して改憲の動きをさらに加速させるだろう。

 今、平和憲法は未曾有の危機を迎えている。9条を失うことは、戦後日本の不戦の誓いを捨て去ることである。国際貢献は、国際協調の下で非軍事的手段で行うことが十分に可能であり、より有効であることは明らかだ。集団的自衛権を憲法に明記し、軍隊である自衛隊の海外での活動を進めるのは、日米同盟の権益保持のために他ならない。それこそが「戦争のできる国」となる目的である。

 私たち新聞人は、「戦争のためにペン、カメラを持たない、輪転機を回さない」と戦後の出発にあたって誓った。その誓いを守るために、憲法改悪阻止に全力を挙げよう。