ミャンマー軍政に対し、長井さん射殺の真相究明と民主化実現を求める

ミャンマー軍政に対し、長井さん射殺の真相究明と民主化実現を求める

2007年9月29日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長  嵯峨 仁朗

 ミャンマー(ビルマ)軍事政権による反政府デモ弾圧を取材中の邦人ジャーナリスト長井健司さん(50)が9月27日、治安部隊に胸を撃たれて死亡した。当初、流れ弾が当たったとされていたが、翌28日に「ビルマ民主の声」(本部・ノルウェー)が公表したビデオ映像から、長井さんは治安部隊に至近距離から狙い撃ちされた可能性が極めて高いことがわかった。民衆に銃口を向け、虫けらのように記者を射殺し言論を抹殺するミャンマー軍政の暴挙に対し、日本新聞労働組合連合(新聞労連)は怒りを込め厳重に抗議する。

 映像では、軍服姿の男が、デモの様子をビデオカメラで撮影する長井さんに至近距離から発砲した後、倒れた長井さんを介抱することなく、群衆をさらに追いかけている。長井さんは、倒れてもなお右手を突き上げカメラを握って離さなかった。弾は胸部を貫通しており、即死だった。どうして流れ弾などと言い逃れできようか。明らかに故意に射殺したものだ。

 ミャンマーでは1988年にも民主化デモに軍が発砲し、1000人以上が犠牲となった。このときのクーデター以後20年間、軍事独裁政権が国民を弾圧している。民主化指導者アウン・サン・スー・チーさんを含む政治犯の釈放を求める国際社会の声も、内政干渉として無視している。言論弾圧は苛烈を極め、軍政が携帯電話網の停止やインターネットの利用制限によって現地記者の情報発信を妨害し、外国人記者への取材ビザ発行も拒否しているという。

 私たちは、ミャンマー軍事政権に対し、長井さん射殺の真相究明と責任の所在を明らかにし、ジャーナリストの安全確保と取材・表現の自由を保障し、一刻も早い民主化を要求する。また、軍事政権の最大経済援助国ともいわれる日本政府に対し、事態収拾へ国際的責任を率先して果たすよう強く求める。               

以 上