長崎市性暴力裁判でオンライン署名スタート
取材記者を含む多くの性暴力被害をなくすため、長崎地裁に公正な判決を求めます!
2022年4月14日に、5月30日に予定されている長崎地方裁判所の判決に向けて、公正な判決を求めるオンライン署名を「change.org」でスタートしました。署名の提出先は、長崎地方裁判所 民事部合議B係で、係争事件名は、平成31年(ワ)第114号 損害賠償等請求事件です。署名の締め切りは5月12日(木)で判決前に提出します。下欄にあるリンクから署名にご協力ください。
—-公正な判決を求める要請書—-
長崎市の幹部男性から性暴力を受けた女性記者が同市に賠償などを求めた訴訟の判決が、長崎地裁で5月30日に言い渡されます。
女性記者は2007年7月、取材中に長崎市の幹部男性(2007年10月末の市の事情聴取直後に死亡)から性暴力を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しめられたほか、市が対策を怠ったため虚偽の情報が広まって名誉を傷つけられたとして、損害賠償と謝罪を求めて2019年4月に提訴しました。
女性記者の人権救済申し立てを受けた日本弁護士連合会は2014年、市に謝罪と再発防止策を求める勧告を出しましたが、市は受け入れに難色を示し、日本新聞労働組合連合(新聞労連)との交渉でも請求権の放棄を求めるなどしたため、やむなく訴訟に至った経緯があります。訴訟でも市は「原告と市の間で『黙示の意思表示』で和解が成立していた」「二次被害を防ぐため市として真摯に向き合い取り組んだ」などと、具体性を欠いた論拠で自らの責任を否定する不誠実な主張を重ねてきました。
2月7日の最終弁論でも市は「原告の対応次第で事件を回避することができた」などと、性暴力の被害者にも責任があるとの偏見に基づく「強姦神話」を展開し、過失相殺を求める暴挙に出ました。しかし、「市幹部が取材の自由を侵害して性暴力を加えた上、市側がその事実を隠蔽したり、虚偽情報を放置して原告に責任転嫁をしようとしたりするなど、いくつもの職権乱用を重ねた」と弁護団が指摘しているように、市には重大な責任があります。被害者の過失を主張する市の態度に、支援者からは「市民として恥ずかしい」との声も上がっています。
原告は最終陳述で「記者への暴行や根拠なき中傷はあってはならないと明確に司法に示してもらいたい」と訴えました。この裁判が、記者の人権を守り、性暴力を含む公権力の職権乱用への戒めとなることはもちろん、性暴力に苦しむすべての被害者の希望ともなるよう、貴職においては正義に基づいた審理を尽くし、公正な判決を出していただけるよう要望します。