【特別決議案②】労使対等原則を会社に徹底させよう
―新聞協会争議の和解を受け―
4年半にわたる新聞協会労組の闘いは7月21日、東京都労働委員会で和解し終結をみた。和解協定書には、元組合役員に対する言動により「同人個人を傷つけたことを謝罪し、同人が人格や尊厳への配慮を欠いたものと感じたことについて遺憾の意を表明する」と明記された。協会側のハラスメントにより傷つけられた元組合役員の尊厳の回復に、一定程度寄与するものと評価できる。
この間、苦しい中もあきらめず、前を向いて闘い続けた新聞協会労組の皆さんに改めて敬意を表する。また、たくさんの仲間たちが長きにわたり争議を支え続けた。その姿は、困っている仲間、争議を闘う仲間がいれば寄り添い、「よってたかって勝たせる」という新聞労連の伝統を体現したもので、団結のすばらしさを再確認できた。改めて、新聞協会労組の皆さんをねぎらいたい。
争議は2022年5月、退職予定の組合員を巡る問題についての労使協議が発端だった。協会側の法律解釈に重大な誤りがあったために、元組合役員が問題点を指摘したことに不満を持った協会側が、協議後、組合委員長に元組合役員の言動を「口汚い」と告げ口した。協会側は委員長に「役割を外れた時の『禍根を残さないようにすることが大事だ』」と、組合側を萎縮させるような発言もしている。
組合側は抗議文を提出したが、同年7月、協会側は元組合役員の面前でも「口汚い」と繰り返し発言。さらに協会側は団交を申し入れた組合に対して同年8月、元組合役員について「過度に感情的になる」などと人格をおとしめた上、過去の団交で「自分でやったことあんのかよ」と荒っぽい発言をしたとのウソの内容を含む「見解」文書を提示し、社内のイントラネットにも掲示しようとした。
同年8月から始まった団交においても、協会側はこうした攻撃を「ハラスメント」であることは一貫して認めなかった上、23年6月の団交では新たに雇った弁護士3人を同席させ、弁護士の1人は団交中、元組合役員を指さし「そういう言い方ばっかりしてるからわれわれはね、言葉遣いがいかがなものですかと相談したんですよ」と罵倒するような発言をした上、他の協会側出席者がその発言を制止も注意もしなかった。組合はこれらの言動を「二次加害」だと主張してきた。元組合役員はこうした組織的ハラスメントを受けて体調を崩したことが理由で、24年春に退職した。
組合は23年12月、東京都労働委員会に団交拒否や支配介入などの不当労働行為について救済申し立てを行い「協会の言動がハラスメントであると認めた上での誠意ある謝罪」「元組合役員の名誉回復」などを求め、2年半の調査を経て、7月21日、和解が成立した。
今回の争議の背景にあるのは、一貫して組合を尊重せず、労使対等原則をないがしろにし続けた協会側の姿勢だ。協会では17年に当時の事務局長ら幹部による深刻なパワーハラスメントが発覚し、当時の幹部が退陣する事態が起こっている。その後、24年2月までの5年間で定年退職以外で17人が退職、うち13人が女性だった。70人程度の組織では著しい退職者数であり、事態の影響が推測される。そのため、協会職員はハラスメントに重大な関心を抱いてきた。にもかかわらず、協会側は組合を尊重することなく職場における上下関係をそのまま労使関係に持ち込み、威圧的な言動を繰り返した。これは支配介入であるだけでなく、ハラスメントでもある。
ただ、新聞協会労組の粘り強い闘いが協会側へのプレッシャーになったことは間違いない。協会労組は新聞労連やMICと一丸となり、都労委での闘い以外にも東京・日比谷での社前行動などを繰り返した。
今回の和解で争議は節目を迎えた。協会が二次加害を含むハラスメントを争議の最後まで認めなかったこと、被害当事者の名誉回復策の実施に応じなかったことは許されることではない。二次加害については謝罪さえしなかった。こうした看過しがたい実情もある中、 今後、新聞協会の労使が、互いに尊重しあった上で、対等の立場での関係を構築していくことを願う。また、今回の争議で浮き彫りになった支配介入やハラスメントは、どの組合でも起こり得る。今後も新聞協会労組の取り組みに寄り添うとともに、各組合でも労使対等原則を会社に徹底させ、労働環境の改善に向けてともにがんばっていこう。
2026年7月23日
新聞労連・第148回定期大会
