神奈川新聞スラップ訴訟 控訴審で逆転勝利判決

 神奈川新聞の石橋学記者が、ヘイトスピーチを繰り返す男性から取材を巡って「名誉棄損があった」と損害賠償を求められたスラップ訴訟の控訴審判決が4日、東京高裁であり、街頭演説取材中の名誉棄損を認めた1審の横浜地裁川崎支部判決を取り消し、石橋記者の取材の正当性を全面的に認める逆転勝利判決を言い渡した。

 都内であった勝利報告集会で、石橋記者は「報道の自由を脅かす不当判決は必ずひっくり返せると確信していた。悪意に満ちたデマで差別をまき散らすレイシストの悪質さをあぶりだす取材の正当性が認められた」と力を込めた。
石橋記者を訴えた男性は川崎市議選に立候補し、街頭演説などで在日コリアンに対するヘイトスピーチを繰り返してきた。
 弁護団は「1審判決が確定していれば、報道機関による政治家への取材・批判の自由を著しく委縮させ、民主主義社会の根幹をなす表現の自由を揺るがす危険性があったものであり、高裁判決は当然のものである」とのコメントを発表した。

 新聞労連の石川昌義委員長も報告集会に参加し、「差別はいけないという当たり前のことを当たり前に伝える報道の役割を認めた当然の判決だ。石橋記者を支えた読者や市民とともに勝ち取った判決は、民主主義社会にとって大きな意味がある」と強調した。

写真説明:東京高裁前で支援者とガッツポーズする石橋記者(手前)