開会あいさつ

◆司会

新聞労連中国地連 副委員長 石川 昌義
新聞労連東京地連 副委員長 松元 千枝

 ただいまより、新聞労連フォーラム「前川喜平さんと考えるメディアのあり方 ―― これでいいの? 山陽新聞」を始めます。今日は2人で司会・進行を務めます。よろしくお願いいたします。
 それでは、開会にあたりまして、主催者を代表して、新聞労連の南彰中央執行委員長よりごあいさつを申し上げます。

開会あいさつ

市民とともに、信頼される新聞つくるキックオフに

新聞労連 中央執行委員長 南 彰

 みなさん、こんばんは。今日は平日の夜、2月の寒い中にもかかわらず、これだけ会場を埋め尽くすほどに多くのみなさんにお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。2月の平日の夜の開催ということで、当初、前川さんというゲストスピーカーを呼んではいるんですが、どれだけの方に集まっていただけるだろうと、みんなも非常に不安でした。でも、これだけ多くの方にお集まりいただいたことに、あらためて感謝申し上げます。
 今日、新聞労連としてフォーラムを開くきっかけになったことは、昨年の春に、山陽新聞がこれまで本社社屋にあった印刷工場を閉鎖して、それまで長く40年ぐらい印刷職場に勤められていた山陽新聞労組の組合員の方を、組合方針が気に入らないという理由で、山陽新聞が印刷職場から排除したことがきっかけでした。
 これは組合方針を理由に、職場から排除したり不当人事を行うということは不当労働行為で、法律でも禁じられていることでもありますが、そういったことが社会の公器である新聞社で公然とまかり通っている。これはおかしいということで、新聞労連と山陽新聞労組を含めた幅広いネットワークで、今は県の労働委員会の方で闘っております。
 その課題だけであれば、きょう「前川喜平さんとメディアのあり方を考える」という形で、これだけ多くのみなさんにお声掛けをするのはなぜなんだろうと思われると思います。新聞労連だけでやってくれと思われるかもしれない。でもこの山陽新聞労組は、いま3人の小さな労働組合かもしれませんが、この組合がなんで経営陣の側から不当な人事、法律違反まで犯して弾圧されているかというと、そこの原因が社内でしっかりモノを言い続けた労働組合だったことが理由になっているからなんです。
 例えば加計学園問題の時に、山陽新聞は残念ながら地元の加計学園に対して、忖度のようなかたちで…それはこれから議論を深めていきたいと思いますが、他紙に比べて圧倒的に報道量が少なかったのです。そうした問題について、繰り返し会社側との交渉の中で「これはおかしいのではないですか」と、声を上げて交渉してきたのが山陽新聞労組の3人のメンバーでした。
 新聞社の社員といえども、経営者と労働者の間には圧倒的な力関係がある中で、現場の一線の労働者、記者たちが、しっかりモノを言う基盤というのが必要になってきます。その基盤となるのが労働組合だと思うんです。これは全国の新聞社に労働組合がしっかりあるというのは、そこの基盤を先輩方が代々積み上げてきた成果だと思います。
 そこがいま不当労働行為というかたちで弾圧されて、山陽新聞労組が消滅の危機寸前にあります。この3人で終らせてしまって、本当に山陽新聞は、しっかり現場の記者・社員がモノを言えて、市民のためになるような新聞を作っていくことができるのか。そこがいま非常に問われていると思って、市民のみなさんと一緒に考えるフォーラムを企画しました。
 労働組合はもちろん、われわれの働く環境の向上を目指しているところはありますが、一方で、ジャーナリズムやメディアのあり方を、市民のみなさんと一緒に考えて、市民の期待に応える紙面づくりを目指す役割も担っていると思います。今回の企画から、“労働組合”を通じて、読者、県民・市民のためになるメディアのあり方を考え、つくっていく。そういう信頼される山陽新聞をつくっていく。そのようなきっかけにしたいと思っています。
 前川さんや、加計学園問題についていろいろと追及をしてきたジャーナリストの三宅さんと一緒になって今回の企画を練ってまいりました。ぜひ市民のみなさんと一緒に、岡山にふさわしい、そして、日本の中でも市民と一緒になった新しい形のメディアのあり方を作っていく。そんな「キックオフ」にできればいいなと思っていますので、2時間の集会になりますが、ぜひよろしくお願いいたします。今日は本当にありがとうございます。(拍手)