まあ文部科学省文書というのは、そういう意味で、非常に総理自身の関与を示す文書だったわけですけども、それよりもさらに決定的だったのは、去年(2018年)4月、5月に愛媛県から出てきた「愛媛県文書」ですね。
この愛媛県文書 ―― こういうのを「動かぬ証拠」と言うんだと思いますけど ―― の中にはたくさんのことが分かるわけですけども、2015年2月25日、加計理事長と安倍首相が面談をして、その際に加計理事長が資料を渡して説明をしたと。そして、安倍首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたと書いてあるわけですね。
これは、加計学園に獣医学部の新設を認めるという方向性が決まる2年も前に、すでに加計理事長と安倍首相はそういう相談を2人でしていたということですね。これはもう「加計ありき」が安倍首相から始まっていると。安倍首相の意向から始まっているということは、もうはっきりしているわけですけども。
これに対して安倍首相はどう言っていたかというと、加計理事長との面談はしていないと。今に至るまで否定しています。
最初に安倍首相が、面談してないことの言い訳に使った説明は「官邸の入館記録になかった」と。つまり「総理官邸に加計孝太郎理事長が来たという記録が残っていない。だから会ってないんだ」ということをおっしゃったんですけど、その前の国会答弁で「入館記録は1年経つと廃棄する」と言ってたんですよ。
ですから「捨てたと言ってたものをどうやって調べたんですか?」という話になって、前の説明とつじつまが合わなくなって、だからすぐ気がついて、その説明はやめましたね。
その次に何と言ったかと言うと「新聞の首相動静欄に出てこない」と。首相動静って、確かにどこの新聞にも、首相のところにだれがやって来たというのは書いてあります。
これは官邸にいる記者さんたちが情報を共有していて、だれが来た、だれが出て行ったというのを分単位でチェックしているんですけども、しかし、官邸には裏口があります。裏口があって、だれにも見られないように総理執務室に入ることは十分可能です。
私もそうやって、総理執務室じゃないけど、すぐそばにある官房副長官の部屋に行ったことはあります。まさに天下り問題で「これは大ごとになるぞ」という時に、メディアに見つからないように官邸に報告に行く。その時には裏口から入ったんです。
ですから、いくらでも記者さんたちの目に触れないように、外から入って総理に会いに行くことはできるんです。だから「首相動静に書いてないから会っていない」というのは、これまたひどい言い訳なんですね。そんな言い訳していいわけ? ってね。
山陽新聞労働組合
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