元文部科学事務次官・前川喜平さん 新聞というのは、営利企業としての経営はあったとしても、やっぱり「公器」であって、公共のために行う仕事だという意識を忘れてはいけないと思うんですね。
メディアによってある程度、スタンスの違いはあってもいいと思うんですよ。主義・主張の違いは、ある程度あっていいと思います。しかし、国民にきちんと「伝える役割」というのは放棄してはいけないし、その限りにおいては、やっぱり主権者である国民の立場を重視しつつ、人権も保障する、そして情報公開、透明性というものを旨とする…そういう経営は当然、必要になるはずですね。
これは一般的企業以上にモラルが求められる、そういう企業体なんだと思うんですよね。仮にそれが営利事業だったとしても、公共性は非常に強く持っているということが言えると思います。
だから、はっきり言って「隠ぺい体質」と言っていいと思うんだけど、新聞社自体が「隠ぺい体質」を持っているというのは、非常に問題だと思いますね。
南労連委員長 新聞労連にも86の労働組合が加盟しているので、意見は多様です。新聞労連は意見の違い、多様性は認めるんだけど、やっぱり事実を明らかにする「説明責任」や、前川さんの言われる「透明性」…そういうキーワードについては、みんなで共通して求めていきましょうとやってきているのですが、残念ながら山陽新聞は報道機関であるにもかかわらず、そういうことができていないということですね。
そうした説明姿勢が反映しているのかどうかなんですが、先ほど三宅さんが、加計孝太郎理事長の記者会見の問題に触れながら「加計学園問題について全く解明されていないことの糸口があるんじゃないか」ということをおっしゃったと思います。
あの時の加計理事長の会見の問題点と、そこから本来、解明されるべきこと、特に幹部が加計学園の理事を務めている山陽新聞社は、もっと(事実を)知らせることができたんじゃないかというところで、三宅さんはどんなふうに思われているのか、お聞かせいただけませんか。
山陽新聞労働組合
- 前川喜平さんと考えるメディアのあり方~これでいいの?山陽新聞
- 漫画「山陽新聞が組合いじめ!」
- 当事者の横顔
- 開会あいさつ
- 第1部 講演(1)加計学園とメディアのあり方
- 第1部 講演(2)「山陽新聞会長=加計学園理事」は利益相反
- 第1部 講演(3)加計問題の本質は、安倍首相による国政私物化
- 第1部 講演(4)「首相の意向」で無理やり認可した獣医学部
- 第1部 講演(5)事実を報道できないNHK社会部の「意地」
- 第1部 講演(6)「出会い系バー」…ありがたかった文春砲
- 第1部 講演(7)「読売新聞が書くとは思えない」 ところが…
- 第1部 講演(8)自宅に取材攻勢 「会見するなら包囲を解く」
- 第1部 講演(9)書いてもいない「独占手記」が賞をもらい…
- 第1部 講演(10)愛媛県文書は「加計ありき」の動かぬ証拠
- 第1部 講演(11)首相と理事長の面談を「なかった」ことに…
- 第1部 講演(12)明らかな虚偽答弁 「首相案件」で地元負担倍増
- 第1部 講演(13)理事長会見のひどさ、メディアはもっと追及を
- 第1部 講演(14)教育に新聞を、加計・森友問題も題材に
- 第1部 講演(15)権力者が言う「中立性」にだまされるな
- 第2部 パネル討論(1) こんなにおかしい、山陽新聞の加計疑惑報道
- 第2部 パネル討論(2) 「第一労組」の日下委員長「経営が記事に介入しても何もしない」
- 第2部 パネル討論(3) 越宗会長=加計学園理事? 山陽新聞「分かりかねる」
- 第2部 パネル討論(4) 団交で「会長=加計学園理事」を認めた
- 第2部 パネル討論(5) 新聞社の「隠ぺい体質」は非常に問題
- 第2部 パネル討論(6) 安倍政権の窮地をイカサマで救った山陽新聞
- 第2部 パネル討論(7) 報道の自由を守る「職能団体」としての労組
- 第2部 パネル討論(8) 日本の新聞の半分は「政権プロパガンダ」
- 第2部 パネル討論(9) 越宗会長は加計学園理事を絶対辞めるべきだ
- 第2部 パネル討論(10) 安倍政権は「国民は愚か者だ」と思っている
- 第3部 争議の当事者あいさつ
- 第3部 閉会あいさつ
- 集会報道
- 集会参加者の声