こういう「不公正」「不公平」「不透明」という、非常に歪んだプロセスで無理やり獣医学部新設を認めた。それはなぜかと言えば、安倍総理の意向があったからですね。
この安倍総理の意向があったということについては、2017年の4月、5月、6月あたりですかね、文部科学省から出てきたさまざまな文書があったわけです。「文部科学省文書」と言ってもいいですけども、その中に獣医学部新設について、例えば内閣府の担当審議官の言葉として「官邸の最高レベルが言っていること」とか、あるいは「総理のご意向だと聞いている」という文言が入った文書があった。
あるいは、当時の官房副長官だった萩生田さんという人の「総理は平成30年4月開設とお尻を切っていた」という言葉が載っている文書も、文部科学省の中から見つかっています。これらの文書のうち、いくつかについては私もメディアの人から見せられて「これは見たことがあります。本物です」という話をしたわけです。
私のことを、加計学園問題を告発した勇気ある告発者であると思ってる方が多いようですけども、これは間違った認識でございます。私は見せられた文書を「ああ、これは見たことがあります」と言っただけですから。これは何の勇気も要らないわけで。
本当に勇気のあるのは、今も文部科学省の中で仕事をしている現職の職員なんです。おそらく3人ぐらいいます。3人ぐらいの職員が、それぞれお互いに連携を取ることなく、それぞれの判断で、それぞれのルートで、加計学園問題の文書を国民の知るところにした。
これは非常に勇気ある行動だと思います。国民の知る権利に奉仕したということで、こういう行動こそ本当は憲法が求めている公務員のあり方だと思いますね。憲法15条で「公務員は全体の奉仕者である」と言ってるわけであって、総理のお友達のために仕事をするんじゃないわけですから。
そういう、今も文部科学省で顔も名前も知られずに ―― 知られてしまったら危ないと思いますけども ―― 仕事をしている現職の職員のほうが、私よりもよっぽど勇気がある。私は辞めてから言いたいことを言ってるわけであって、これは何の勇気も要らないわけですよ。
その間に、特に一昨年(2017年)私が加計学園問題に関与する中で、いろいろなメディアの方とかかわったわけですけども、その経緯を少しお話ししておこうと思います、今日のテーマに沿って。