最初に申し上げますけど、私は山陽新聞に特に恨みはございません。実は岡山には何度も来ておりまして、3週間前にも来たんですね。夜間中学の関係で参りましたけれども、この時の講演の内容などについては、山陽新聞さんは丁寧に報道してくださいました。大変感謝しております。いい記者さんがいい記事を書いてくださったと。経営と記者さんとは別ですからね。
文部科学省だって、大臣と職員は違いますから。同じ1つの人格だと思ってしまったらいけないわけで、どんなに不道徳な人が上にいたとしても、立派な人はその下で仕事してるということだと思うんですね。
しかし、加計問題については、どうやら山陽新聞さんは十分な報道をしていないらしい。それは今日、見せていただいた資料からも明らかなんですけども。
会長さんのお名前を私は今日初めて知りましたけど、越宗(こしむね)さんとおっしゃるそうで、このかたは加計学園の理事なんだそうで、これはいけませんね。言ってみれば「利益相反」ということですよね。加計学園の理事の会長では、加計学園のことをちゃんと報じないのは道理だなと思わざるを得ないわけで。
文部科学省の私の先輩にも加計学園の理事になった人がいまして、私のところへやってきて「獣医学部を早くつくれ」とプレッシャーをかけたことがあったんですけど、それに類した話でございます。
ただ、新聞というのは、民間企業が経営しているとはいえですね、これは今、南委員長からもお話がありましたけども「公器」と言われているわけで、公の器と言われているわけですね。これは国民の「知る権利」に奉仕しなければならない存在です。
国民の知る権利というのは、民主主義の最も基礎でなければならないものであって、国民の知る権利を十全に全うできなければ民主主義は成り立ちません。
政府が何をやっているのか、権力者が何をやっているのか、そういったことがきちんと報道されなければ、主権者である国民、あるいは住民自治の担い手である住民が、国の政治にせよ地方の政治にせよ、それを是正することが不可能になってしまいます。何が間違ってるかが分からなければ、知らされなければ、その間違いを正すこともできないわけですね。
ですから、民主主義の大前提である「知る権利」を具体的に実現するのがメディアなわけですね。メディアというのは「媒体」という言葉ですけれども、権力と国民との間に立って、その権力が一体、何をしてるのかを正しく伝えることがメディアの大使命ですよね。そこがどうも、パイプが詰まっているんじゃないのかということだろうと思います。
特に、聞くところによると、山陽新聞はこの岡山県では圧倒的なシェアを占めている。6割ぐらいのシェアを占めているそうで、多くの県民は山陽新聞しか読んでいない。そうなると、これは非常に間違った方向に県民の世論が誘導されるんじゃないか。非常に危ないことだと思います。そこで山陽新聞しか読んでいない人のために、私が知るところの加計学園問題について、真相をお話ししようと思います。