前川さん 加計学園問題というのは、忘れちゃいけない問題だと思いますね。結局、持久戦、長期戦で水掛け論でウヤムヤにするという、政権の戦略にうまく乗っかってしまったというか…。安倍政権というのは、基本的に「国民は愚か者だ」と思ってるんです。「ずーっとやってると、いずれ忘れる」と思ってる。「国民は愚かである」という認識で国政運営をしてるのが、今の政権だと思います。
ここにいるような人たちは愚かじゃないと思いますけど、この外にいる人たちはかなり愚かで「もうそんな話、旬ではない。加計の話なんか、もういいだろう」みたいな話になって。結局、忘れやすい人たちを相手にするメディアは「もうみんな忘れてるんだから、今さらニュースにしたって売れないだろう」という考えが働くんでしょうね。
とにかく、ここにいる人だけでも「加計学園問題は忘れないぞ」と。これは、権力者が国民を裏切った腐敗の大きな事件なんですから、それを忘れてはいけないと思いますよね。
それから、山陽新聞のようなところで組合が一般市民や読者とどういう関係を結ぶかという問題は、まさにこういう集会がそのひとつの表れなんでしょうけども、新聞紙面以外の形での「つながり」を作っていくというのは十分あり得るんじゃないかなあと思いますね。
広範な市民の支持を勝ち得ながら、紙面にもそれが少しでも反映できるように社内で頑張る、ということなのかなあと思うんですけどね。
それから、さっきからちょっと疑問に思っていたのは、山陽新聞っていうのはだれが株を持っているんだろうと。経営に対して直接、モノが言えるのは株主だろうと思うんだけど。株主の側から声を出すという方法はないんだろうか、ということも考えましたけどね。
南労連委員長 株はだれが持っているんですか。
藤井書記長 株は(越宗会長や松田社長らの大株主以外では)地元企業が持ってます。銀行とかゼネコンとかが持ってます。そんなにたくさん(の株数)じゃないんですけど。
南労連委員長 そういう意味では、山陽新聞は一握りのオーナーが握っている会社ではなく、会長も社長も会社の中で上がってきた人なんで、市民のみなさんの力とか、株主だって県民・市民であるわけですから「今の山陽新聞のあり方でいいのか?」という感覚は、山陽新聞労組という受け皿があれば、しっかり伝わっていくはずだし、そうしたことは本来、実現可能だと思うんです。
今日お集まりいただいた400人…会場は300人のキャパなんですけど、別室も含めて400人お集まりいただきました。本当にありがとうございます。(拍手)
みなさまがたの熱意を、われわれも新聞社の中にある労働組合として、しっかりと受け止めて、前川さんが先ほど言われた「職能集団」として社会にしっかり役割を果せるような組合として、みなさんとともに歩めるような活動をしていきたいと思っています。
いま、山陽新聞労組のメンバーは、冒頭でちょっとお話しした不当配転・不当人事の関係で非常に苦しい闘いをしているんですが、そういった逆風につぶされずに市民のみなさんの役に立てる組合をしっかり残していくという方向で、ぜひみなさん、後押しをしていただければと思っております。
それでは時間にもなってきたので、第2部のパネル討論はこのへんで終わりにしたいと思います。前川さん、三宅さん、どうもありがとうございました。(拍手)
◆司会
ありがとうございました。これをもちまして、パネル討論を終わります。みなさん、ごめんなさい。時間がなくて、討論中に質問が(十分に)取れませんでした。ですので、残り時間も少なくなっておりますが、配布資料の中のアンケート用紙にもいろいろご意見を書いてお寄せください。
それでは、ここで、今回の集会のきっかけになりました不当人事問題の ―― この(配布資料の)最後の漫画のところに似顔絵が出ております ―― 2人の当事者に登壇していただきます。(拍手)